ニコニコ通り

漫画、木版画、イラストなどなど、製作中。

2015年6月ドイツ旅行⑩ 〜ケルン〜

2週間のドイツ旅行もいよいよ最後の一日となった。

ライプツィヒを訪ねたのは、遥か遠い昔のよう。それだけ濃くて、色んな経験と出会いのある旅だった。なんて、まだ感傷に浸るのは早い。最終日は、飛び入りで木版画ワークショップを開催することに!

 

そもそもイベントにするつもりはなく、のび太とせっかくだから木版画やろう!と言ってただけなのだが、スクワットのWeb担当さんが、前日のなんとかBarでサイトにパパッとイベント情報として載せてくれ、ちゃんとワークショップという体に!人が来る来ないは関係なく、これでAutonomes Zentrum Köln(スクワットの名前)とA3BCのつながりが出来た感じがして嬉しかった。

そして、ケルンには、ケーテ・コルヴィッツのミュージアムがある。

 

ケーテ・コルヴィッツは、ドイツを代表する芸術家、版画家で、反体制的な作品を一貫して作り続けた女性。大学生の時回顧展を観て、貧困、戦争、理不尽な死に対しての憤りや悲しみ、またそれに立ち向かう人々の力強さ、美しさがストレートに伝わってきて、痛く感動した。去年、自分が木版画を始めた時も、画集を引っ張りだし、彼女の木版画を眺めた。

なんとかBarの日にミュージアムに行き、ドイツで改めて彼女の作品を観れたのは、本当に良かったと思う。そこには、今自分たちが取り組んでいるA3BCの活動にもつながる精神性があり、学びたい表現が沢山あった。ハンパない絵の巧さ・表現力には再び脱帽だけど、昔観たときとはまた違う、親しみやすさがあったように思う。

単純だけど、ここで木版画ワークショップをするというのは、自分の中の点と点が繋がっていくような、大切なことのように思えてくる。

 

ワークショップが始まり、最初はのび太と2人寂しく制作していたが、徐々に人が集まりいい雰囲気に!

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制作したのは3人。全員木版画は初めてだったけど、細かい説明をする必要もなく、どんどん手が動いていた。

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驚きの時短技を見せる人も!

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いよいよ摺り! 

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ちゃんと摺れてる??不安そうに覗き込むおじさん3人。

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入れ替わり立ち替わり見学者もいて、興味を持ってくれた人も多かったと思う。

そしてこの日終わらなかった人の為に、私が帰った後ものび太がワークショップの続きをやって、さらに参加者が増えたとのこと。

出来上がった作品たち!どれも、とてもかっこいい仕上がり!

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そして今も、活動は継続して行われ、Autonomes Zentrum Köln木版画の輪は広がってきつつあるそうだ。なんと、グループ名も決まったとのこと!

「die holzschnitt-gruppe」(the wood-print-group) f:id:nicolaus92:20150810124500j:plain

夜のスポットライトの下で木版画!制作シチュエーションがかっこ良すぎる!

一人で作るのは寂しいと言っていたのび太、仲間が出来て良かったね。

大きな作品を共同で作る計画もあると聞いた。A3BCの活動が蒔いた種、ちゃんと新たに芽吹いてますよ。こんなに嬉しいことがありますか?

いつかA3BCでケルンを訪れ、一緒に木版画が出来る日も、そう遠くないかも!?

 

ワークショップの中では下書きで終わってしまった自分の作品は、帰ってから仕上げました。2日目に訪れたアイゼンベルグの古い駅を使った家をモチーフに。

感謝の気持ちを込めて!

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日本に帰ってきて、もう一ヶ月以上経ち、やっとこの旅レポも終わります。

ずいぶん時間がかかってしまったけど、読んでくれた方、ありがとうございます。

2週間なんてあっという間だし、その国の文化や歴史を知って、人と出会い、コミュニケーションするにはちょっと短い。でも自分にとって、とても特別な旅になったと思う。また会いたい人、見たい場所、沢山あります。

自分の今後のことについても考える。生き方にしても、人とのコミュニケーションにしても、自分の可能性を狭める枠をはずして、今は色々やってみたいという気持ち。どうなるか?どうするか?もしかすると、過去最高に前向きかもしれない。

 

きっかけをくれた、この旅のすべてに感謝しています。

本当にありがとうございました!!!

そして、会いたい人にまた会えますように。