ニコニコ通り

漫画、木版画、イラストなどなど、製作中。

うどん作戦、続行中!

夏ど真ん中。みなさんいかがお過ごしですか?
まあとりあえず、暑い。
ですよね〜。。。
 
ケルンもそこそこ暑いし、昼間はたまに35度くらいまで上がったりする。
でも朝夜は結構涼しいし、冷房なくてもやっていけるレベルです。
それでも身体がだるすぎて、仕事以外の時間は、家で完全にのびていたここ数週間。
 
今回は、高円寺でリサイクルショップやゲストハウス、なんとかBarを経営している松本哉さんとの共同作戦、「うどん作戦」について、私視点からも紹介させてもらおうかな、と。
 
うどん作戦とは。
平たく言うと、遠く離れたところに住む者同士がデザインを交換し、それぞれの場所でグッズを作り、販売して、お互いを支援する、というもの。
 
松本さんがマガジン9の連載で紹介してくれた文章にて、突如そう名付けられた作戦だが、作戦内容とうどんは一切関係ない。ただ成り行き上、私たちが高円寺なんとかBar支援Tシャツを、高円寺の仲間がうどん屋ノビコの支援グッズを、制作・販売する流れになったから。だと思われる。
 
記事内で紹介している通り、もともとは私たちが高円寺の仲間が運営しててる地下文化スペース、なんとかBAR、マヌケゲストハウス、素人の乱5号店のグッズが欲しくて連絡したのが始まりだった。コロナ禍の中、お互いの状況を心配しつつ、でも遠く離れていると出来ることは限られている。クラウドファンディングでの支援とか、グッズや商品券を買ったりだとか、個人的にできることも限りのある中で、思いついたのが、デザイン交換作戦。
これなら、支援したい場所のデザインデータをもらうだけで、自分の住んでる場所でグッズを作って売ることができ、周りを巻き込んだ支援が可能!
 
まず、試しになんとかBARのTシャツをケルンでプリントして販売したところ、すごく反応が良かった。
ケルンにもNantoka Barという名前のBarスペースがある(記事で紹介されてるノビタが高円寺なんとかBarに触発されて作ったスペース)ので、そこに馴染みがある人たちが、主に買ってくれた感じだけど、全然関わりのない人たちも、企画そのものに共感して買ってくれたりもした。
国同士の行き来が難しく、政府も自国のことでいっぱいいっぱい、みんなも自分の生活のことでいっぱいいっぱい、人付き合いや店付き合いが減っていく中で、こういうやり方で繋がっていくこともできるんだと示せたのが、良かったなと思う。
 

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プリントしてくれたのは友人が経営するシルクスクリーンの会社、「Pressure & Ink.」彼らもコロナの影響で仕事が激減したので、少しでも収入になればと思い、注文させてもらった。


 
そして、高円寺の仲間が今度は、ノビコのためにTシャツとトートバックを作ってくれた。ケルンでも同じデザインのものを売ったけど、高円寺版はまた違う雰囲気のものになっていて、面白い。私も両方欲しい。笑
 
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このデザインは、ノビコの共同経営者の一人、Kiseの落書きを元に木版画にしたものです。骸骨の下の葉っぱみたいなやつは、昆布です。
参考までに、ノビコの現在の状況をいうと。席数を約半分にして、店内営業再開していますが、売り上げはコロナ以前と比べると2割減といった感じ。それでも思ったよりお客さんが戻って来てくれて、本当にありがたいのだけど、ドイツ全体でも、ケルンでも、コロナ感染者数はまた増加傾向にあり、今後どうなるか。さらに冬がやってくれば、窓全開で営業することも厳しくなるし、下手すればまたテイクアウトのみの営業に逆戻り。なんとか踏ん張って、今回ノビコのTシャツを購入してくれた方が、いつかそれを着て遊びにきてくれるために、生き延びたい。
高円寺のグッズを作ってくれたみんな、本当にありがとう!!!
手刷りで頑張ってくれたのに、売れなかったら悲しすぎるので、ノビコだけでなく高円寺の仲間のためにも、余裕のある方は、ぜひご購入よろしくお願いします。
 
 
 
松本さんの記事の中で「ネオうどん作戦」として、デザイン元の人や場所、そしてグッズを作った人や場所、両方が利益を分け合うやり方も提案されていて、色んな国からそういうアクションが始まったら、なお面白い!場所と場所のつながりで相互にやってみるのも良いし、そういったデザインを集めて紹介する仲介となるようなウェブサイトを作って、場所だけではなく、様々な政治的アクションから身の回りの小さな問題までもテーマにしたデザインを扱うのも楽しそう!例えば、刺青入った人が日本の温泉に入浴できない問題や、アボカドを作るためにどれだけのエネルギーを使っているか問題、あるいはパクチー嫌いな人の気持ちを代弁したデザインとか。身近すぎる問題の方が、わりと共感を得やすかったり、そんなことで悩んでいるのか!という異文化交流にもなる。
グッズを作って支援するってこと自体は、どこでも長きにわたってやってきたことだけど、もっとネットワークの範囲を広げつつ、離れていながらもピンポイントに助け合うっていうのが、この作戦の面白いポイントかな、と思う。うまくいけば、新たな仕事として成り立つかも!?
なんて、夢想するのは簡単だけど、一人でサクッと始められるようなことではないのは分かっている。グッズ制作のノウハウを持った人も必要だし、仲間とやる気と知恵が集まらないと無理だ。
でもまあ、今回それを試しに実行してみて、どう頑張っても埋まらない物理的距離を少し縮めてくれたような嬉しさだったり、連帯することでもらえるパワーを実感できたので、おすすめしたい。
 
このコロナ禍を無視して動くことも、完全に縮こまって動けなくなるのも嫌だから、なんか色々知恵を絞って、助け合って、それをエネルギーにしていこう、の一つの例として。