ニコニコ通り

漫画、木版画、イラストなどなど、製作中。

2020年11月号

昔から草木の名前をやたら知ってる人には、無条件に好印象というか、尊敬の念を抱いてきた。

そういう人と一緒にハイキングや散歩をすると、これは美味しいやつ、とかこれは危険なやつ、とか色々教えてくれるので、ただ自然の中を歩くより、実のある時間を過ごせているようで気分が良い。

しかし残念ながら、私は基本、景色を見ながら考えごとをしてしまうので、何度教えてもらっても一人では気づけず、花や果実の見た目でしか覚えられないので、教えがいがないかもしれないが。

 

のび太もそんな草木にやたらと詳しい一人。2020年も彼のおかげで、四季折々、自然の恵みをいただきながら過ごすことができた。

 

「豊か」ってきっとこういうこと。

 

 

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去年から果樹にハマったのび太は、ノビコの庭に柿の木1本、林檎の木2本を仲間入りさせた。3年前に植えた梨の木3本も、元気に育っている。

 

そして2021年は、キノコ栽培にハマろうとしている。

もう誰ものび太を止められない。

私は食べる係として、これからも協力していく覚悟です。

 

 

 

2020年10月号

去年の9月、長年の願いが叶った。

 

あべがそうりだいじんを辞めたのだ。

 

どうせなら、もっとこの瞬間を喜び、みんなで酒でも飲んで「やっと悪夢が終わったねお疲れ!」と肩を叩き合いたかったのだけど、そうは問屋が卸さない。

 

どうやら次の悪夢が始まったようです。

 

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どうせ自民党から選ばれるわけだから、1ミリの期待もなかったけど、のっけからこの発言とは、なかなか面白いじゃないか!よっ悪代官!

まず自助・共助が大事って、あんたアナーキストかなんかなん?地域でまずソリダリティを見せろってか?で、あんただれ?どういう立場でそれ言ってる?

じゃあ、なんで私ら税金払ってるん?私たちが興味あるのは、その使い道である公助がどうなんだってことだけで、自助・共助に口出されたくなんかないっつーの。

なんなら公助で自助・共助がもっとうまくいくようサポートすんのがあんたらの仕事だろうよ。都合の良いことばっか言ってんじゃないよ。

 

私は日本社会の一番の呪いは「自己責任」だと思っているので、それを助長しかねないこの発言はムカついてしょうがないのです。

ま、今までの自民党とほぼ変わらないスタンスなんでしょうが、ある意味もっと冷たい、切り捨てが激しくなるような社会が待ってるような、不安を覚えました。

 

それを言い当てるかのごとく、スガを紹介するドイツの記事でつけられたタイトルが、

「Das graue Gesicht der Macht」直訳すると、「権力の灰色の顔」

さすが!もうバレバレ!

 

早く、辞めてもらいましょう!

2020年9月号

ある暑い夏の日。

クーラーのないノビコのキッチンで、しかもマスクを着けて働くのは、かなりキツい。おもむろに、ハンドタオルを冷たい水で湿らせ、汗をかいた顔を拭いた時、そのあまりの気持ちよさと開放感のおかげで、ふと思い出した。

以前はこれが気軽に出来なかったこと。

 

ドイツに来て変わったことは何?と聞かれてすぐに浮かぶ事の一つに、化粧をしなくなった事がある。

周りにしてない人が多いからなのか、ふと何の為に化粧をするのか分からなくなり、スッピン生活を始めてみると、すぐにそれが当たり前になった。

私にとって化粧は、そんな程度の事だったんだろう。

たまに、変身願望というか、化粧をして気合いを入れた自分に会いたくなる事もあるけど、まずは新しい化粧品を買うべきなんだろうか。ああ、やっぱり面倒くさい。。。

 

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化粧をしなくなった流れで、メイク落としからの洗顔という流れも消滅してしまって、風呂と朝の支度がかなりスピーディーに!そして何と言っても経済的!

洗顔はたま〜にするんだけど、しなくても肌の調子は悪くない。日本では朝晩2回もしていたのに!

簡単に「やらない」という生活に切り替えられた、ということは、自分にとって大事ではなかった習慣ということだ。

自分にとって大事なのであれば、化粧も続けたら良い。

 

でもこれは本当に自分のため?と問い直すことも、時には必要なのかなと思う。

ぱっちりした目を演出しようと、頑張るのは誰のため?何が基準?

やめてみて気づいた。自分のシジミみたいな小さなタレ目を、そのまま受け入れ見せることの方が、私にとっては自信になった。

 

だから、やっぱり私にとっては、

スッピンライフ、最高!なのだ。

 

 

 

 

 

 

2020年8月号

さ、毎年恒例の、しれっと去年の4コマ漫画をアップロードするの巻が始まりますよ〜

なんと、8月号からサボっている!やる気なさすぎ!

4コマ漫画そのものはもう12年もサボらず描いてるのにね。描いて、広島のヲルガン座さんにデータを送ったらもうすっかり忘れちゃって。

 

で、どんなこと描いたんだっけ?あ、そうだそうだ。

 

えー、できればですね、キテレツ大百科のOP曲、「お料理行進曲」を脳内再生しつつ、読んでいただきたいです。

 

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そりゃ、大冒険の歌になるわなー。たかがコロッケ。されどコロッケ。

ノビコでは、コロナ対策で密を避けるため、キッチンを基本一人体制で回したいという理由から、天ぷらの代わりに始めたコロッケ。天ぷらだとどうしてもキッチンを2人で回すことになるけど、コロッケは仕込みさえ頑張れば、あとはオーダーに合わせて揚げるだけなんで、一人でうどんのオーダーをこなしながらでも出来る。かつ、テイクアウトしやすいメニューだとも思う。

でも実際は、高く売れるものではない&飛ぶように売れるわけでもないので、そんなに儲からないのだ。まあでも効率だけを考えるよりは、あったらいいな、を出来る範囲で形にする方が結局利益になることもある。今は冬限定でかぼちゃコロッケを出していて、以前のジャガイモだけのコロッケよりは、よく売れるようになった。

 

コロッケ作りがすっかり板についてきた私たちだけど、やっぱりいつかは天ぷらに戻りたい。単純にコロナが落ち着けば、働く人数が増やせるわけだけど、問題はそれだけではなく、スペースが小さすぎて一度に沢山作れなくて出すのに時間がかかる、というのも天ぷらを出す上でのデメリット。時間がかかる、ということは回転が遅くなるってことなので。かと言って、作り置きしとくスペースもない。何度も何度もお客さんから「天ぷらはないの?」を聞かれるのだが、こういうデメリットを解決した上で、ちゃんとしたクオリティで提供したい、という気持ちがあってずっと我慢してもらっている。

いつかは戻ってくるので、気長に待っててね。きっとその時には、コロッケがコロナ時代の良い思い出になっているはず。両立は無理なんで、今のうちに楽しんでね。

そんな気持ちで毎日コロッケを出しております。

 

たかがコロッケ、されどコロッケ!

 

 

 

 

 

年の瀬に

久々の日記更新!

もうすぐ2020年が終わってしまうので、あわてて少し近況などを書いておこうかな、と思ってる次第です。

今、ケルンから電車で1時間半ほどの田舎、のび太の弟家族のところで休暇中。大晦日をてっぺんまで楽しむために、皆さんお昼寝中です。日本は、もうすぐ年越しですね。

 

2020年がどんな一年だったか、世界中の人々が同じの事を巡って、語ることがある。それってなんか凄いな、って思ってて。離れて住んでても、同じ心配をしたし、同じ怒りや不安があった。総じて言えば大変な一年だったけど、希望を感じた瞬間もあったと思う。

ドイツでの新型コロナウィルス感染の勢いは、11月から爆発的に伸び、今もなお私たちが日常に戻るには、到底届かない状況が続いている。

数日前からコロナワクチンの接種も始まった。80歳以上のお年寄りから優先的に、ケルンのあるNRW州では2月末頃までにはすべての老人ホームにワクチンが行き届く予定とのこと。因みにワクチン接種は任意なので、この動きが予定通り広がっていくかはまだわからない。

順調に進んだとしても、来年中にワクチンが私たちにまで行き渡るかどうか疑問だし、制限付きの私たちの新しい日常は、まだ続くんだろうと覚悟している。

11月から始まった二度目のロックダウンも、おそらく3月頃まで続くのではないか。そんな専門家の意見もある。

 

ノビコも11月からずっとテイクアウトのみ営業が続いている。その間は行政から去年の売り上げの70%が補償されるが、払われるのは1ヶ月後とかなので、テイクアウトだけの売り上げでは諸々の支払いもかなりギリギリな状態が続いている。それでも続けていけるだけマシなんだろうと思う。

思えば2020年、どれだけの人にノビコは支えられてきたんだろう。ノビコの存続を願う気持ちをこれだけ感じられたのは、この一年の何よりの希望でした。

日本の友達からの支援もたくさんありました。本当にありがとうございました。

 

さて、最近の私はというと。

テイクアウト営業では必要なシフト数も減るので、経営者である3人がその分休みを取ることにした。普通なら他のスタッフの時間数を減らすほうが人件費削減にはなるけど、それじゃあ生活が成り立たない人が多い。かつ私たち3人も、今まで週6日働いてたのが週4〜5日に減って、なんかボーナスでも貰ってる気分だった。実際は私たち3人の給料は遅延が続いてるけど、時間を貰える方がよっぽど嬉しい。まぁ生活が成り立つ状況なら、だけど。

時間ができたんなら、ブログもちゃんと定期的に更新すれば良いものを、なにかと趣味に走ってしまって、なんだかんだと忙しくしていた。

例えば、草木染め。ノビコのために毎年大量に仕込む、紫蘇シロップを見てて、これ、染めに使えんじゃない?とふと思いたち、紫蘇はもちろん、玉ねぎの皮とかアボカドの皮と種とか、紅茶とか、色々試してみた。これについては別でちゃんと書きたいな、と思ってもう随分経つけど、ついこないだ、寝室のためのカーテンを自分で作って玉ねぎの皮で染めてやって大満足したので、その写真だけ貼っておきます。

 

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あともう一つ、頑張ってるプロジェクトがあって。それは、私の4コマ漫画のドイツ語翻訳!12本の4コマ漫画を選んで、ドイツ語に訳し、2021年のカレンダーにしてやろうという一大プロジェクト!

とりあえずはのび太母の誕生日プレゼントとして考えた事だけど、もしノビコスタッフも気に入れば、さ来年に向けた商品化もありかな〜、なんて。

自分の言葉を翻訳するのって、思い入れも強いし、モチベーション上がるし、すごく勉強になった。かつ、今年からタンデムパートナーになってくれたドイツ人の友達、カティが私の翻訳をちゃんとチェックしてくれて、ニュアンスも含め、読み物としてちゃんと楽しめるように、直してくれた。そこからまたドイツ語と日本語の表現の仕方の違いを感じるので、さらに面白い。

これはまだブログにも載せてない(笑)、2020年の夏頃描いた4コマ、ドイツ語版。

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テーマは「すっぴん生活」。

サボりまくってるだけなんだけど、いずれオリジナルも載せます!

 

そんな感じでね、案外ロックダウンの日常を楽しんでいたりもします。

韓国ドラマ観漁ったりね。。。進撃の巨人にどハマりしたりね。。。

Netflixで観れるオススメドラマについても書きたいなぁって思っていたんでした!これもいつかどこかで。

そんなんばっかだけど、追い込まずに、のんびりやっていこうと思ってます。

 

おっとそうこう言ってるうちに。

日本はもう年を越しましたね!

 

明けましておめでとうございます!

 

誰にとっても、良い方向に進む一年でありますように。

本年もどうぞよろしくお願いします。

 

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うどん作戦、続行中!

夏ど真ん中。みなさんいかがお過ごしですか?
まあとりあえず、暑い。
ですよね〜。。。
 
ケルンもそこそこ暑いし、昼間はたまに35度くらいまで上がったりする。
でも朝夜は結構涼しいし、冷房なくてもやっていけるレベルです。
それでも身体がだるすぎて、仕事以外の時間は、家で完全にのびていたここ数週間。
 
今回は、高円寺でリサイクルショップやゲストハウス、なんとかBarを経営している松本哉さんとの共同作戦、「うどん作戦」について、私視点からも紹介させてもらおうかな、と。
 
うどん作戦とは。
平たく言うと、遠く離れたところに住む者同士がデザインを交換し、それぞれの場所でグッズを作り、販売して、お互いを支援する、というもの。
 
松本さんがマガジン9の連載で紹介してくれた文章にて、突如そう名付けられた作戦だが、作戦内容とうどんは一切関係ない。ただ成り行き上、私たちが高円寺なんとかBar支援Tシャツを、高円寺の仲間がうどん屋ノビコの支援グッズを、制作・販売する流れになったから。だと思われる。
 
記事内で紹介している通り、もともとは私たちが高円寺の仲間が運営しててる地下文化スペース、なんとかBAR、マヌケゲストハウス、素人の乱5号店のグッズが欲しくて連絡したのが始まりだった。コロナ禍の中、お互いの状況を心配しつつ、でも遠く離れていると出来ることは限られている。クラウドファンディングでの支援とか、グッズや商品券を買ったりだとか、個人的にできることも限りのある中で、思いついたのが、デザイン交換作戦。
これなら、支援したい場所のデザインデータをもらうだけで、自分の住んでる場所でグッズを作って売ることができ、周りを巻き込んだ支援が可能!
 
まず、試しになんとかBARのTシャツをケルンでプリントして販売したところ、すごく反応が良かった。
ケルンにもNantoka Barという名前のBarスペースがある(記事で紹介されてるノビタが高円寺なんとかBarに触発されて作ったスペース)ので、そこに馴染みがある人たちが、主に買ってくれた感じだけど、全然関わりのない人たちも、企画そのものに共感して買ってくれたりもした。
国同士の行き来が難しく、政府も自国のことでいっぱいいっぱい、みんなも自分の生活のことでいっぱいいっぱい、人付き合いや店付き合いが減っていく中で、こういうやり方で繋がっていくこともできるんだと示せたのが、良かったなと思う。
 

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プリントしてくれたのは友人が経営するシルクスクリーンの会社、「Pressure & Ink.」彼らもコロナの影響で仕事が激減したので、少しでも収入になればと思い、注文させてもらった。


 
そして、高円寺の仲間が今度は、ノビコのためにTシャツとトートバックを作ってくれた。ケルンでも同じデザインのものを売ったけど、高円寺版はまた違う雰囲気のものになっていて、面白い。私も両方欲しい。笑
 
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このデザインは、ノビコの共同経営者の一人、Kiseの落書きを元に木版画にしたものです。骸骨の下の葉っぱみたいなやつは、昆布です。
参考までに、ノビコの現在の状況をいうと。席数を約半分にして、店内営業再開していますが、売り上げはコロナ以前と比べると2割減といった感じ。それでも思ったよりお客さんが戻って来てくれて、本当にありがたいのだけど、ドイツ全体でも、ケルンでも、コロナ感染者数はまた増加傾向にあり、今後どうなるか。さらに冬がやってくれば、窓全開で営業することも厳しくなるし、下手すればまたテイクアウトのみの営業に逆戻り。なんとか踏ん張って、今回ノビコのTシャツを購入してくれた方が、いつかそれを着て遊びにきてくれるために、生き延びたい。
高円寺のグッズを作ってくれたみんな、本当にありがとう!!!
手刷りで頑張ってくれたのに、売れなかったら悲しすぎるので、ノビコだけでなく高円寺の仲間のためにも、余裕のある方は、ぜひご購入よろしくお願いします。
 
 
 
松本さんの記事の中で「ネオうどん作戦」として、デザイン元の人や場所、そしてグッズを作った人や場所、両方が利益を分け合うやり方も提案されていて、色んな国からそういうアクションが始まったら、なお面白い!場所と場所のつながりで相互にやってみるのも良いし、そういったデザインを集めて紹介する仲介となるようなウェブサイトを作って、場所だけではなく、様々な政治的アクションから身の回りの小さな問題までもテーマにしたデザインを扱うのも楽しそう!例えば、刺青入った人が日本の温泉に入浴できない問題や、アボカドを作るためにどれだけのエネルギーを使っているか問題、あるいはパクチー嫌いな人の気持ちを代弁したデザインとか。身近すぎる問題の方が、わりと共感を得やすかったり、そんなことで悩んでいるのか!という異文化交流にもなる。
グッズを作って支援するってこと自体は、どこでも長きにわたってやってきたことだけど、もっとネットワークの範囲を広げつつ、離れていながらもピンポイントに助け合うっていうのが、この作戦の面白いポイントかな、と思う。うまくいけば、新たな仕事として成り立つかも!?
なんて、夢想するのは簡単だけど、一人でサクッと始められるようなことではないのは分かっている。グッズ制作のノウハウを持った人も必要だし、仲間とやる気と知恵が集まらないと無理だ。
でもまあ、今回それを試しに実行してみて、どう頑張っても埋まらない物理的距離を少し縮めてくれたような嬉しさだったり、連帯することでもらえるパワーを実感できたので、おすすめしたい。
 
このコロナ禍を無視して動くことも、完全に縮こまって動けなくなるのも嫌だから、なんか色々知恵を絞って、助け合って、それをエネルギーにしていこう、の一つの例として。
 
 
 
 

2020年7月号

もういい加減、みんなに行き届いたんちゃいますか?

10万円。

 

6月にこの4コマ描いて、今8月ですからねー。

なんならとっくに使い切ってるよね。

 

そろそろ第2弾を要求するべき頃かも?

 

 

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もし自分が日本にいて、10万もらってても、この4コマのような使い道になる可能性めっちゃある。それか普通に生活費に消える。悲しいけどリアルに想像できた。笑

 

お金に余裕のある人は、ご丁寧に辞退する、なんていう謎の行動は取らずに、ちゃんともらった上で、必要な人のところへお金を回してほしいよね。

 

お金を預けておけるほど、信用できる政府ではないんでね。