ニコニコ通り

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2015年6月ドイツ旅行② 〜アイゼンベルグ〜

アイゼンベルグ。

ガイドブックの地図を広げてみても、載ってないくらいのど田舎である。

ここに、昔の駅を買い取って、Wohnprojekt(ボーンポイエクト)している人達がいるという事で、今回の旅の中でも特に楽しみにしていた場所。

それがこちら!どーーーん!!

 

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でかい!広い!!周りなんもない!!!

そして駅というよりかわいい洋館という感じ。正直もっとボロボロなのを想像していた。

建物の中には住居スペースの他に、LiveスペースやBarもあり、裁縫部屋やシルクスクリーンの部屋(予定)、バイクの修理部屋、なんだかよくわからない部屋が迷路のようにつながっていた。ゲストルームも4部屋位はあった。駅のエントランスだったであろうスペースには昔の路線図があった。切符を切るところ?もあって、やっぱりここは駅だったんだ、と実感出来る。

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さらに外へ出ると、倉庫を新たに買い取ったとかで、リノベーションの真っ最中。同じ敷地内にトレーラーハウスもあってそこに住んでる人もいるという。。

なんなんだろうこの充実度!しかし閑散としていて、今現在使っているはずのBarスペースでさえも、かつての賑わいの痕跡が置いてけぼりになったかのような侘しさがある。でも私はそういう場所、好きだ。

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さて、晩ご飯である。この日はシュテフィさんとヤンさんと共に皆で作る事に。

もちろんヴィーガン料理である。アクティビストにはヴィーガンの人が多い。そこにも政治的な意味があって、肉や魚(卵や乳も含む動物性タンパク)を効率よく育てる為にかかっているコスト、エネルギー、環境破壊の問題だと教えてもらった。要は、人間の都合でシステマティックに生産・消費されていく事が問題で、自然界の中で必要なだけ狩猟採集し、いただくのであれば、どうなんだろうか?これは理想論だけど、全く「食べない」という選択よりは、自然界の掟に従って「食べる」方がバランスいいんじゃないかな〜と思ったりする。私自身は、システマティックにスーパーに並べられた肉や魚を食べちゃってるし、簡単に変えれることではないけど。

メニューは小麦を使ったヴィーガン用のお肉「ザイタン」のカツレツとマッシュポテトとサラダ。シンプルなメニュー!と思ったら大間違いで、今回はこの「ザイタン」を手作りする為、すっごく時間がかかるとのこと。

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ザイタンの作り方はざっくり言うと、野菜をソテーしてミキサーにかけペーストにしたものと小麦・グルテンを混ぜ合わせ、コネコネして、網に入れて1時間ボイルして出来上がり。

そこからカツレツにするという手間があるので、食べるまでにかれこれ3時間。ビールを飲みながら皆で作るのはすごく楽しかったけど、眠気と空腹で、頭はボンヤリ。しかしその分、食べた時の喜びは一入で、特にザイタンのカツレツは美味しかった!どこからともなく台所に住人が集まって来て、食卓を囲む。旅2日目でこんな経験が出来るとは思わなかった。

 

翌朝、コーヒー飲みながらウダウダして遅めの朝ご飯。前日のマッシュポテトを焼いたのと、スモーク豆腐がとても美味しかった。

その後、畑を見せてもらった。プランターも廃材を使ってて、いちいちかっこいい。

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ああ・・・苺を食べながら収穫する幸せよ。他にも人参、茄子、かぼちゃ、ズッキーニ、ハーブなどなど、小さいスペースの中に沢山の実りがあった。

周囲をぐるっと散歩して、摘みたてのハーブティーをいただいた。

 

 日本でも最近地方に移住する若者は増えてるし、空き家を紹介する制度もよく聞く。でもこんな規模でこんなノビノビと生活を営んでる場所、私は知らない。もちろんここにはここの問題点が沢山あるだろうけど、ユートピアだと思っていた暮らしが実践されていることに驚いたし、最高にかっこいいと思った。

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滞在が1泊だったのが悔やまれる。日本から9000キロ離れているので簡単に来れる場所ではないが、また遊びに行きたい。引き合わせてくれたのび太に、沢山もてなしてくれた優しい住人たちに、心から感謝!ありがとう!

 

 

さあ、旅3日目からは、ヨーロッパ1刺激的な街と言われる、首都ベルリン!!