ニコニコ通り

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毎日散歩ができる日々の記録 その4

ノビコが営業停止してから、1ヶ月とちょっとが過ぎた。

 

元々、現在の外出制限、学校等の閉鎖、休業要請は4月19日までだったのだけど、予想していた通り延長となりました。今のところは5月3日までとなっているけど、これもまた延長される可能性が高いし、一斉に元の生活に戻ることは出来ないだろうから、レストラン営業が許可されるのは、もっともっと先になるのかな、と覚悟しています。

でも一部のお店(お店の面積が800平方メートル以下の小売店)は営業再開が許されたり、学校も一部再開ができるようになっていて、今週に入ってから町がなんだか賑やか。おそらく、外出自粛に疲れてきた人も多いのだろう。もうそろそろいいんじゃない?みたいな気の緩みが漂っている。

 

その雰囲気を専門家は危険視していて、また数週間後に感染者数が急増してしまったら、もっと厳しい対策が必要になる、と。

4月22日現在、ドイツ全土の感染者数は150,085名、死者数5,223名となっていて、結構な数字ではあるけど、60%〜70%の集団免疫獲得レベルまで考えると、まだまだまだ少ない。

無症状の患者の割合が結構多いことが予想されているので、PCR検査をわりと沢山実施しているドイツでも、正確な感染者数はわからないし、実際は発表されてる数字よりずっと多いはず。その上で、様々な研究結果を踏まえて予想しても、2%〜4%程度だろうと言われている。

 

ちなみに私のこれらの情報は、ドイツのコロナウィルスの専門家、ドロステン先生が配信しているPodcast「コロナウィルスアップデート」の和訳ページからきています。プラス、この放送を聞いているのび太からも大事な情報を共有している感じです。

 

note.com

特にこの直近のインタビューでは、ドイツの今の気の緩みを心配していて、今のウィルスの分布図が人々の行動によって常に変化すること、感染者数が少ない地域にもいずれウィルスは拡散されるであろうことを指摘している。

今現在、ドイツの基本再生産数R0値(一人の感染者が平均して何人に感染させるかの値)は0,8程度で、これはここ数週間の対策の成果ではあるけど、少し規制が緩和されればすぐに1を越え、再びロックダウン状態にせざるを得なくなると警告している。

そしてもう一つ、私たちにとって大事な情報だと思ったのは、

一番ウィルスの感染性が高いのは、症状が出る前日で、症状が出始めて4日後から感染性が少なくなりはじめ、1週間後には感染性がなくなる、ということ。

つまり無症状の状態〜調子が悪くなってくる初期の段階が一番、誰かに感染させてしまう可能性が高い。

因みに、症状が出て1週間後に感染力を持つウィルスがなくなるという意味で、それ以降も、ウィルスは持っているしPCR検査をすれば陽性になる。

 

あと、この情報が役立つのは、感染したとわかった時に、自分が接触した人で感染させた可能性のある人の割り出しがしやすいってことかな、と。症状が出てからだけではなく、そのちょっと前の接触者に関しては、ほんの少し話した程度でも注意が必要。出来ればすぐに自宅隔離に入った方が良いかもしれない。(3密は危険を示す基準でしかなく、少しの接触飛沫感染する可能性はあるし、感染経路としては飛沫感染が主流、というのがドイツの専門家のスタンスです。)

ちなみに最初から最後まで無症状の場合の感染力はどうなのか、は言及がなかったけど、症状なかったら調べようがないから、わかんないよね。

 

イタリアの数百人規模の村で行われた実験では、ほぼ全ての人に2回のPCR検査をして、感染者の中の43%が無症状だったという結果がある。検査と検査の間は2週間。

ここからも、数字の後ろに隠れている感染者の数が多いことが窺える。

そして対策の一つであるソーシャルディスタンスがいかに大事か。そして感染者の早期発見も。

 

自分が常に感染している可能性を考えて行動する必要があるんだけど、実感のない事に気をつけながら生活するって結構難しい。長丁場になることを覚悟している今は、生活スタイルとして慣れていかないとしょうがないんだけど。

マスク着用もそうで、来週からドイツ全土で、公衆の建物内でのマスク着用が義務化される。スーパーに行くのも、マスクなしでは入れてもらえなくなるらしい。マスクがない場合は、ショールで顔を覆ってもオッケー。

日本だと、義務化しなくてもみんなマスクしようとするだろうけど、こっちでは強制力がないと浸透しないくらいマスクには慣れていない。ノビコでもスタッフにしてもらう事になるけど、やっぱりみんな不安そうだ。

使い捨てマスクもすでに高値になってきてるし、とりあえず、HKマスクをみんなの為に沢山作っといて正解でした。

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ノビコは5月5日から、テイクアウト営業できるよう、準備を進めています。

なので、毎日散歩するほどの時間的余裕もなくなっていて、忙しい毎日です。

お客さんを一切お店に入れずにやりとりが出来るよう、スタッフ同士の距離も取れるよう、お店のレイアウト自体も大きく変え、もうテイクアウト営業がしばらく続く覚悟で考えている。

これが、利益にちゃんと繋がるかは不安だし、状況によっては何度もお店を休業する可能性もある。今までの政府からの支援だけでは到底もたないし、継続した支援策についても、議論がされ始めている。

例えば、給与補償を80%まで引き上げることや、レストランが支払う19%の消費税を7%まで引き下げること、など。消費税については、テイクアウトは元々7%なので、店内営業再開後に引き下げの意味が出てくる。すぐに客足が戻るわけはないし、席数も減るだろうから、これは必要不可欠な対策だと思う。給与補償80%も、ノビコでは60%では生活できない人が多いので、切実に必要。つか、今までの60%もまだ支払われていないんだけどね。。

 

うーん、なんだかちょっと暗い投稿になってしまったけど、テイクアウト営業はやっぱり楽しみにしています!

同僚は、人との接触を減らす為に、接客ロボットまで用意してしまいました。コントローラーで歩いたり話したり出来るんで、お店の外に並ぶ人たちがお互いに距離を保つよう促すセキュリティロボとして採用!みんなの暇つぶし相手にもなるし、これで距離があっても寂しくなりませんね!

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コロナ時代をなるべく楽しく生きる為の発想は、こんなときだからこそ、すごく大事。

高円寺の素人の乱の人たちがオンライン上に作った場所、「高円寺なんとか文化会館」も、そこでの第1回目のトークイベントも、本当に素晴らしかった。

ただ出演者が同時につながって話すのを見る、というようなオンライントークイベントじゃなくて、ミニチュアの会場に、携帯電話を座らせて、みんなが画面越しに話すのを映像で撮って配信という、言葉だけでは伝わりそうにないので、画面を切り取った写真をどうぞ。

 

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手前にミニチュアの椅子も並んでいて、とても手が込んでいてかわいくて、素晴らしい。

今後、いろんなタイプのミニチュア会場が登場しても面白いし、それを作った人、配信する人、出演者にお金が回るようなシステムが今後作られたら尚良い。トークの中でも話していた、先に必要な額を払える人から集めて、配信は誰でも見れるってアイデアがとても良いなと思った。

オンラインでできる気軽さと、リアルに人が集まるイベントの中間を演出できていて、まさに、コロナ時代を楽しく生き抜くための場所!しかも海外から参加できるのは、この時代ならではの利点でもある。久々に、高円寺でのイベントに参加している感覚が味わえて、嬉しかったです。

またこの場所で、お会いできることを楽しみに!

 

今日はノビコでメニューの看板作り。晩御飯は炊き込みご飯とヴィーガンハンバーグ。

ビールで優勝を目指し、ほどほどにがんばります。