前回のブログで、ノビコディナーがついに来年4月から実店舗「ノビコ」として動き出す、という事を書きました。
準備は着々と進んでおり、どんなお店にしたいか、何を提供したいか、どう回していくか、やりたい事を実現するには何が必要なのか、考えるべき事は尽きません。
しかし、まず私たちの前に立ちはだかる問題は、
そう、資金。
お金がないと何もできない。というジレンマが今でも世の中に根強くあり、何かを始める前に足を止めてしまう、諦めてしまう事があると思うけど、実際はそうじゃない。
個人でお金を貯めて自由に消費するのも一つの方法だけど、お金を集めて、別の形でシェアをするという考え方もあって。それならば、多分もっとたくさんの事が可能になるんだと思います。
お店を始める私たち3人は、まあはっきり言って、お金ない。でもこのお店を始める事で、シェアできる事がたくさんあると信じています。美味しいご飯、仲間が集まる空間、この社会に対する一つのアクションとして。
もし、私たちの新しいお店に何かしらの期待を持ってもらえるなら、私たちはみなさんに少しでもサポートしていただける事をお願いします。
そんなこんなで、クラウドファンディングを始めました。
サイトは、全てドイツ語なので、このブログの中で内容やサポートの方法について、説明させてください。
ここから、かなり長くなりますが。
サイト内のプロジェクト紹介ビデオで話している事を、完璧じゃないけど訳します。
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私たちは、Niko、Lukas、Kiseです。
私たちは、少し前からケルンのカルクという街にある、コレクティブで運営するカフェ「Cafe Fatsch」にて、他の素敵な仲間と共に一緒に働いています。しかしこのお店は、残念ながら4年の素晴らしい時間を経て、今年いっぱいで閉店します。
以前より私たちは、一緒に自分たちのお店を開くという望みを持っていましたが、お手頃価格で提供し、なおかつ資金運営を可能にする、ちょうどいい空き店舗を見つける事は、ケルンでは難しい。そして今、Cafe Fatschのこの部屋が空くならば、私たちはぜひここで、「うどんBar&Cafe」という私たちの夢を実現させたいです。
すでに2016年夏からCafe Fatschでは、週に2日、夜にノビコディナーをやっています。この小さな枠の中で、色んなメニューを試し、私たちが一番楽しめる事は何かを考え、色んな発見を重ねてきました。最初は、既製のうどんを使っていましたが、まもなく、既製品とは大きく味わいの違う、手打ちうどんを作り始めました。この経験から、うどんこそが私たちの提供したいものであると確信しました。
典型的な日本のうどんは、殆どいつも魚の出汁を使ったスープで出されますが、私たちは本来の味を追いつつも、完全なヴィーガンである独自のレシピを作り上げてきました。
私たちはうどんだけでなく、他にも色々なメニューを提供したいと考えています。Cafe Fatschではお馴染みの、人気のケーキや焼き菓子、そしてFatschバーガーも、ノビコで続けていく予定です。
全体的に、今までのCafe Fatschで出来たことより、もっと魅力的なメニューを提供したいと願っていて、そのためには、この小さなキッチンを全面的に改装する必要があります。未来で、私たちがこのキッチンを利用できるようイメージすると、プロフェッショナルな排気システムや、うどんの麺やスープを作るための特別な調理機器が必要になります。
もし皆さんが、このクラウドファンディングを通して私たちを支援してくれるなら、とても嬉しいし、その支援があれば、未来でも美味しいうどんやケーキやバーガーを楽しむ事ができ、たとえ新しい形になったとしても、カルクに、この部屋が皆さんのために存在し続ける事になります。
クラウドファンディングの間も、Cafe Fatschのケーキやバーガーを、水曜と木曜の夜はノビコディナーのメニューをチェックすることができます。
ここまで観てくれてありがとう。そして皆さんの支援に感謝します。
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サイト内にはさらに詳しい説明がありますが、全てを翻訳すると、訳してる間にクラウドファンディングが終わってしまいそうなので、大切なポイントをいくつか。
1、麺
私たちが提供するうどんの一番のポイントは、自家製麺、という点です。誰が言い出したのか思い出せませんが、ドイツ=パン=小麦粉=うどん!という雑な方程式からうどんを打ち始め、試行錯誤を繰り返し、充分美味しいうどんが作れるようになりました。しかし、熟練者のスピードならまだしも素人のペースで、手打ちのうどんを毎日作るのはあまりに大変だ。ということで今は、イタリア産のパスタマシーンと生地マシーンに助けてもらい、生地を練ったり、伸ばしたり、切ったりしています。小麦粉は、未だにどの小麦粉を使えばうどんにとってベストなのか研究中ですが、ヨーロッパ内の、出来ればドイツ産の小麦粉を使っていきます。作りたてのうどんを、自分たちで作ったうどんを提供する(しかも身近な材料で)、という事に、私たちは意義を感じています。
2、食材の産地
日本料理を作るのだから、日本産の材料を使うのが大事か?というと、私たちにとっては、そうではありません。日本からあるいは遠いどこかの国から、わざわざ輸入するものには、輸送エネルギーがかかっています。ドイツで日本産のものは大体高価ですが、例えばアフリカから輸入されるものは、ドイツ産のものより安価だったりします。そこには全くフェアではない取引があります。輸送費がかかったとしても安価にできるほどの労働搾取もあります。私たちが日本食を作る上で大事な材料、例えば昆布はアイスランドから、豆腐は北ドイツから、米はイタリアから、醤油はオランダから、海苔はスペインから来ます。全部が全部ヨーロッパ産とはいかず、椎茸は中国から、味噌とみりんは日本から来ます。品質や産地についてパーフェクトとはいかないまでも、使う材料は意識的に選びたいと考えています。オーガニック食材を使うことよりも、どちらかというと地産地消とフェアな取引かどうかを意識したいです。
3、働く環境
私たちは、「ノビコ」をコレクティブで運営したいと思っています。これは、誰がオーナーということではなく、3人共が自主的に仕事に取り組み、お店を創造することを楽しむということです。3人共、飲食店業のプロではありません。だからこそ、始める価値があるようにも思います。お店に来るお客さんにとっても、自分たちにとっても居心地の良い場所にしたいし、そのために気をつけるべきことを考えていきたいです。そしてこの仕事で生活できるというのが、一つの目標でもあります。
4、価格
日本食はドイツでは、高価なものおしゃれなものというイメージがあります。私もいくつかの日本食レストランでそのイメージを借りたぼったくり商法を目の当たりにしました。その上美味しくなかったりすると、本当に腹が立ちます。ノビコでは、なるべく消費者側に立った値段設定にできるよう、気をつけます。人々が気軽にケバブを楽しむように、ノビコでは気軽にうどんをすすってもらえますように。
私たちが日本料理を作ることの意味は、「日本」というレーベルを掲げることではありません。また、おしゃれなオーガニックレストランを目指しているわけでもありません。
5、クラウドファンディングで得た支援金の使い道
ドイツは飲食店に関する法律が厳しく、もしお店で揚げ物をしたいなら、しっかりとした排気システムをつける必要があります。今、これがない為、Cafe Fatschでは揚げ物ができません。ノビコで私たちはどうしても、揚げ物を提供したいのです。うどんのお供にかき揚げや天ぷらがないのは、やはり寂しいですよね。
来年1月よりその排気システムの為の工事が始まる予定です。まずはそこにお金が必要で、その他にもうどんの生地を捏ねる為のマシーンやうどんを茹でるための調理機器、ガスコンロ、などなど新たに揃えるべきものが沢山あります。皆さんからの支援金は、その為に使われます。
6、クラウドファンディングの仕組み
このクラウドファンディングの目標設定額は、10,000€です。日本円だと約130万円。この金額に達成しなかった場合、私たちは一銭もいただけません。目標額に達成した場合のみ、皆さんからお金が振り込まれます。全ては支援額が目標設定額に達してから、になります。1月からの工事に必要な資金のため、締め切りも12月18日と短いですが、日本からの支援も絶賛受付中です!
7、リターン
サイトのDankeschönsがリターンについての説明です。"Auswählen"をクリックするとそのリターンが選ばれます。(写真はクラウドファンディングサイトを見てね!)
5€ パッチ「TOFU」or「UDON」
10€ お食事券(1食&1ドリンク)
15€ UDONナップサック「EAT UDON SMASH NATIONALISM」
20€ KITSUNE Tシャツ
(色の組み合わせは3つ。デザインは胸のあたりにプリントされます。)
サイズ(S、M、L、XL、XXL)と
色(Beige(ベージュ)、Kaki(カーキ)、Schwarz(黒)と
形(Tailliert(タイト)gerader Schnitt(ストレート))が選べます。
Welche Farbe hättest du gerne? Welche Größe brauchst du? Tailliert oder gerader Schnitt?の後にある空欄に希望を入力してください。
25€ UDONナップサック「EAT UDON SMASH NATIONALISM」+箸(日本で購入)
30€ KITSUNE Tシャツ+箸(日本で購入)
50€ パッチ「TOFU」and「UDON」
+UDONナップサック「EAT UDON SMASH NATIONALISM」
+KITSUNE Tシャツ +箸(日本で購入)
60€ ホール型ヴィーガンケーキをオーダーメイド
80€ 4人分の簡単コース食事券(スープ、メイン、デザート、ドリンク)
100€ 記載されたメニューを全部一回ずつ食べれる食事券
500€ 10人のためのプライベートディナー券(貸切で3時間のみ)
1,000€ 1年間のフリーお食事券
私たちは来年3月に日本に行くので、日本在住の方々には、その時にリターンをお届けできます。お食事券は、ケルンに来てもらわないと、楽しめませんが。。。
お店が近くにあるわけではないけど、いつかケルンに遊びに来られた際は、皆さんにとって温かいホームのような場所があるんだ、と思っていただけたら嬉しいです。
8、必要な記入項目について
リターンを選ぶと、上の方に" Unterstütze mit einem freien Betrag ohne ein Dankeschön. "という欄も出てきます。これは、リターンなしで自由に支援額を設定できる、ということです。リターンと組み合わせて支援額をプラスすることも出来ます。
リターンなしの場合、必須事項は"Vorname"(名前)"Nachname"(苗字)と”E-mail"です。
リターンを選んだ場合、"Lieferadresse&Rechnungsadresse"も入力する必要があります。これは、リターンのお届け先です。日本語で大丈夫です。"Straße, Hausnummer"に町名、番地。"PLZ"に郵便番号。"Stadt"に市名、"Bundesland"に県名、"Land"はJapanを選択です。
支払い方法は、日本からだと"
下の方に、支援額が表示されますが、"Unterstützung für Startnext"という項目もあり、自動的にこのクラウドファンディングサイトへの支援もいくらか加算されてしまいます。しかし、これはゼロにする事が出来ます。「Betrag ändern」をクリックするとスライダーが表示されるので、自由に調整してください。
"Ich stimme den Allgemeinen Nutzungsbedingungen von Startnext zu. "にチェックを入れてください。これはこのクラウドファンディングの利用規約へ同意するかどうか、です。
"Jetzt zahlungspflichtig unterstützen"でクレジットカードの情報を入力するページが出てきます。
"Karteninhaber" はカードに記載されているカードを所持者名です。"Kartennummer"はカード番号です。"Ablaufdatem"はカードの有効期限、"CVC"はカード裏面記載のコードです。
右下の"Zahlungspflichtig unterstützen"クリックで支援完了です。
最後に、記載したメールアドレスに、確認のメールが届きます。
わー長い長い!
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
最後にこのプロジェクトをやっている3人について、少し紹介。
◉Kise
Cafe Fatschオーナーの一人。実質Cafe Fatschの運営について一番関わっているのはこの人。ケルンのアクティビストが集うスペースAZでも定期的にBarを運営していた。ヴィーガンケーキのアイデアを無限大に持っている。電気系統に非常に詳しい。また、日本発祥のヘボいロボット同士を対戦させる「ヘボコン」に感銘を受け、ケルンでも2回「ヘボコン」を企画・開催。ロボット作るの大好き。
◉Lukas
東京高円寺にある、日替わり店主の店「なんとかBar」に影響を受け、ケルンでもスペースAZ内に「Nantoka-Bar」を作ったのはこの人。2016年に東京のなんとかBarでニコと共に一ヶ月限定の「Nobiko Lunch」を運営したことをきっかけに、今度はケルンで「Nobiko Dinner 」をスタート。一番好きな日本食は天丼。植物が好きで、現在はCafe Fatschの庭で野菜をつくっている。春菊、水菜、紫蘇など、ノビコのメニューにも重宝している。日本でのあだ名は「のび太」。
◉Niko
東京在住時、高円寺にある、日替わり店主の店「なんとかBar」で月1で店主を担当。2016年にのび太と共に一ヶ月限定の「Nobiko Lunch」を運営。2016年秋にケルンに移住し、「Nobiko Dinner 」に参加。全ての麺類が好きで、食べるのも早い。うどん、蕎麦、ラーメンなら平均5分で完食できる。イラスト、漫画、木版画の制作もしている。ドイツ語勉強中。
◉ Special Thanks
「TOFU」パッチのデザインを提供してくれたのは、新宿にあるナイスなInfoshop「IRREGULAR RHYTHM ASYLUM」の成田さん!ありがとうございます。
そしてノビコのWebsiteを作ってくれたMelさん。いつもお世話になっています。Vielen vielen Dank!!!!
以上!
クラウドファンディングについてでした。
読んでくださった方、本当にありがとう!
3月に日本で会いましょう!!!