ニコニコ通り

漫画、木版画、イラストなどなど、製作中。

2018年6月号

6月の4コマ漫画は、ドイツのヴィーガン事情について、少し。

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他にも、商品の中で、認証マークはないけど実はヴィーガンでした。みたいなものにも、たまたまヴィーガン(zufällig vegan)と言うらしい。

ヴィーガンマインドがよく浸透しているからこそ、こういう言葉が生まれるんだろうな。

 

ヴィーガンでありながら、ヴィーガン料理を作る私としては、ヴィーガン素晴らしい!と手放しに言えない複雑な気持ちはあるけど、肉魚卵牛乳ナシなんてあり得ない!みたいな偏見もちょっと捨ててみてほしいな、と思ったりする。

実際ドイツでは大体の品物にヴィーガンのオプション(代替品)があり、ヴィーガンハムのクオリティの高さにも感動した。不味いのもあるけど。

こないだも、ヒラタケというキノコを唐揚げにしたら、美味すぎて大豆ミートさえ要らないレベル。

魚も肉も、ちゃんと安全なものをたまーに食べるくらいで全然よい。ちゃんと価値付けて高価になればよい。美味しいもの、他にも山ほどあるんだから。

そういう食のオプションが広がったっていう面では、職業ヴィーガンである事も意義深いことかな、と思ったりしています。

 

魚LOVEなので、ベジタリアンにさえなれないけれど。たまに食べれる魚を楽しみに生きてます。

 

 

 

 

2018年5月号

4月3日、ノビコがついにオープン!!!

 

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タレ問題ね・・・。

こういうところでも、ちょっとした食文化の違いが出るんだなぁと。

でも、異文化の食事をしに来ているわけだから、とりあえず食べてみればいいのに、見た目だけですぐにテーブルに置いてる醤油をかけちゃう人もいて、ちょっと残念。

そして結局醤油まみれになったご飯のみが返ってくるという、悲劇。。。

 

最近は、お客さんも慣れてきたのかそういうことも少なくなってきた気がする。

そこからさらに、人によって食べ方の好みが出て来ると、嬉しくなる。タレ多めでも少なめでも、別々でも。

人それぞれの楽しみ方があって、それを楽しんでくれたなら本望です。

 

 

 

2018年4月号

さて、前回の続きで、今回はカーニバルの中のGeisterzugというオバケパレードについてご紹介。

 

2月のカーニバル週間の中の土曜日の夜、ケルンのどこかの街で行われるこのパレードは、他のパレードとちょっと雰囲気が違う。

一番の違いは、みんなで歩く、というところ。他のパレードはショーをする人が順序よく歩き、周りに観客がいるけど、Geisterzugはみんなが自由に出入りできるし、なんか無秩序でとても良い。

元々は、イラククウェート戦争の際にカーニバルそのものが自粛となり、その代わりに反戦デモをやろう!ということで生まれたのがこのパレードらしい。なーんだ、やっぱり元々デモだったのか。今でもプラカードを持って歩く人がチラホラ。

しかも、デモほど警備もないし、カーニバル期間ということもあり、わりとやりたい放題。人ん家のガレージで太鼓叩いて盛り上がったり、コース間違えたり。今回もゴールまでたどり着かず、別の場所でフィナーレを迎え大盛り上がりしたとか。(私は寒すぎて途中で離脱。)

 

昨年は、ただ一緒に歩いただけだったんだけど、今年はノビコのある町カルクで行われるということで、仮装しよう!という事に。友達の家でメイク道具一式を借り、出来上がった仮装がこちら。

 

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リアル写真はもっとやばい!

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我ながら、、、怖い!!!

悪夢に出てきそうだ。

 

来年もぜひ参加したいんだけど、ネタは何がいいかな〜。

スケバンコスプレとかしてみたいけど、セーラー服手に入らんし、オバケ関係ないし!

妖怪系もいいかも。

 

なんて夢を膨らませてみたが、土曜日の夜にノビコを休めるわけがなかった!

チーン・・・。

 

 

 

 

 

 

2018年3月号

ケルン、2月、といえば。

そう、カーニバルである。ケルンが1年で最も狂乱に包まれるイベント。

カーニバルとは何か?

とても簡単にざっくりと、4コマ漫画で説明してみました!

 

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実は、カーニバルのスタートは前年の11月11日11:11。もっとも盛り上がる2月上旬までも度々色んな場所でカーニバル関係のパーティーが行われるが、みんなが本気を出して浮かれるのは、最後の6日間。つか、イベント期間が長すぎる。

この6日間は、とにかく飲んで騒いで歌って、また飲んで。しかもただ飲むだけではなく、派手で浮かれた仮装をすることが超大事。普通の格好をして街へ繰り出そうもんなら、未来の宇宙ステーションに降りたった昔の人のように、冷めた目で見られてしまう。

この写真でいうと真ん中の巻き寿司コスプレが普通で、横に並ぶ私たちが、何もわかってないアホンダラなのである。

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この6日間には、ちゃんとスケジュールがあって、ざっと紹介するとこんな感じ。


*木曜Weiberfastnacht(女性のカーニバル)
11:11から祭りがスタート!
この日は、女性のためのカーニバル。元々は、普段家事育児に追われる女性たちが外でハメをはずしてもオッケーな日とされていた。今や共働きが殆どだし、女性は家庭、みたいな考え方は古いので、どうでもよい感じだが、この日は
男性権力の象徴であるネクタイが切られてしまっても文句は言えないのだとか。

因みに誰にでも(合意のもと、ほっぺに)キスしてよい日とも言われていて、都合よく考える人々がセクハラに走る、という悲しい現実も…。


*金曜
特に何もなし。飲むだけ。

*土日
いろんなパレードが各地で行われる。
おばけの格好をして街をみんなで練り歩くGeistarzugは、デモみたいで楽しい。

*月曜Rosenmontag(バラの月曜日)
カーニバルの最高潮。仮装パレードの山車が町中を練り歩いたり、お菓子を撒いたり、飲んだり歌ったり踊ったり。

 

*火曜Nubbelverbrennung(ヌーベル燃やす)
祭りの最中に、浮かれポンチがしでかした粗相をすべてヌーベルという人形の所為にして、文句言いまくった後、火あぶりに。
燃やされる人形を前にして、カーニバル の終わりを惜しみ、泣き出す人もいるとか。


*祭りのあと
Aschermittwoch (灰の水曜日)
カーニバルの熱狂から一変、この日からイースターまで静かに過ごす。

 

なかなか奥深い祭です。

 

去年は木曜のWeiberfastnachtに街を歩き、土曜のGeistarzugに参加したのみ。

来年はぜひ、ヌーベルを罵倒したのち燃やす現場にかけつけたい。

 

次回の4コマも、カーニバルの紹介です!

 

 

 

2018年2月号

2018年2月。スケジュール紙に4コマ漫画を掲載してもらってる、広島の音楽喫茶ヲルガン座はついに10周年を迎えました。

 

1年目の7月頃からこの4コマ漫画を描き始めたので、この10年は私の4コマ漫画の10年でもあるんだな〜、なんて思って、描いた2月の4コマ漫画です。

 

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そうだ。2008年の私は、真面目に、王道の方法で、漫画家を目指していた。

そこから紆余曲折、迷走して今にたどり着いたけど、4コマを描き続けていることは変わっていない。そのことは、割と自分にとって誇れることだったりするのです。

 

何度でもいうが、そういう場所を与えてくれているヲルガン座には本当に感謝!

これからも、ヲルガン座は、ヲルガン座であり続けますよう!

 

 

2018年1月号

気がつけばもう11月!

やばいやばい!今年もあと2ヶ月きってしまいました。

毎年恒例となりつつある、年末に今年の4コマ漫画をアップして振り返るの巻、

ぼちぼち始めさせてもらいます・・・!

(本来なら毎月アップするものを、サボりぐせがつきすぎて、このパターンが定例化してしまってます。。)

 

2018年はノビコオープンの記念すべき年。

一つの夢を前にして、なんだか不思議な巡り合わせについて思いを馳せ、これって運命だったのでは!?なんて勝手に盛り上がること、ありますよね?

 

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父は、本当にうらやましそうで、イスラエルで知り合いが豆腐屋やってるらしいから、繋がったら面白いんじゃないか?とか、まるで自分のことのようにワクワクしていました。そうね、イスラエル豆腐屋。面白そうだけど、ちょっとやっぱ、遠いかな。

 

 

 

 

 

 

ノビコの実情 その2

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クロアチア旅行から、ケルンに無事戻ってきました〜(3日前に)。

明々後日から、営業も再開します。

忙しくなる前に、4ヶ月ノビコをやってきた、まとめその2を書いておきたい。

 

ノビコをスタートしてみて、よく思った事の一つに、「この3人で良かった」という事。

ノビコは店主(社長)のいないコレクティブ経営(共同経営)という形をとっていて、その経営者が、私、のび太、Kiseの3人。全ての決定事項に対して、3人で話し合い、同じように責任を持つ、というのが基本的なやり方だ。

なので同じお店で働きながらも、全員が自営業。なんだけど形式的な話をすると、実は私だけ従業員という形をとっている。私がお店の経営者に名を連ねるためには、日本から取り寄せないといけない書類が色々あるらしく、、、面倒なのでちゃんと調べてませんが、形式的なことはこの際目をつぶりました。これが問題になる時がくるとしたら、お店が崩壊するときなのかも・・・。こ、怖い。

でも実際の経営は3人でやっていきましょうってことで、様々な情報、問題、働く時間など、お店に関することは全部共有しながら進めるべきだと思っている。

と言ってもなかなか大変なんだこれが。問題意識がバラバラだと、話し合っても行動につながらないことも多々あるし、3人とも持ってる能力は違うので、仕事のポジション的なことは、まだまだシェア仕切れていない。なので事後報告のこともあれば、完全に任せっきりの案件もある。それぞれの裁量に任せていい部分とそうでない部分の線引きも難しい。

それでもこの3人でバランスが良いなと思うのは、お互い違う分野でお店に貢献できている、という点。私はメニューなどに使うイラストが描けるし、のび太は庭で育てている紫蘇などの特別な野菜作りが出来、Kiseは電気関係全般の管理、調理機器の修理が出来る。それぞれの能力が活きているっていうのは、共同運営をしていく上ですごく大事なモチベーションだと思った。

そしてもう一つ良かったポイントは、3人ともノビコをやる一番の目的が「生活」だったということ。これで生活したい!とみんな思っているので中途半端な関わり方はできない。3人で責任を分け合う事が前提となっている。3月に東京で、ノビコ開店祝いのトークイベントをやった時に、共同運営の色んなケースについて聞いて、これは共同運営を続けていく上でとても大事だと思った。

例えばみんながボランティア同然で関わる共同運営のお店だと、時間のあるときに自由に関わりたい、そして誰も責任を持ちたくない、という逆のことが起きてしまいがちだ。結局誰か一人が多く責任を持つことになったり、力関係が生じてきたりと、なかなか難しい。(ノビコの前身であるCafe Fatchでも同じ問題が起きていた。)

そしてもちろん、3人ともが同じ目的だったとしても、共同運営をうまくやっていくには、たくさんの努力が必要になる。意見がぶつかったら納得がいくまで話さないといけないし、細かいコミュニケーションが必要になってくる。

だから、自分が店主となって力関係をはっきりした方が、やりたい事がやりやすい。って人もいると思うし、そういうお店でもスタッフと良い関係を築き、面白い場所作りを実現している人もたくさんいる。

でも私にとっては、3人でやろう!というアイデアがとても心強かった。もともと私には明確なお店のビジョンなんてなかったし、ただ自力を信じて生きていける場が欲しかっただけなのだ。ずっと自営業に憧れてきたけど、これじゃないとダメ!というものもないし、一人だと結局心細くなって続かないのがオチである。もしかすると、そんな3人が集まって出来たのが、「ノビコ」なのかもしれない。目指したいお店の形も共感できるところが多く、お互いのセンスが結構好き。声を大にして、本当にラッキーだったと言いたい。

 おかげさまで、今は総勢10人と一緒に仕事をしていて、とても和気藹々と楽しいのだけど、自分の思うようにはいかないのが現実だし、コミュニケーションの悩みは尽きません。

 

ということでここからは、私から見たノビコのお悩み、聞いてください。

うどんの麺作りは、私がまず1ヶ月集中的に担当して、気づいたことを踏まえて作り方をまとめ、今は3人+アルバイトの1人、計4人でローテーションしている。麺作りは一番の重労働なので、一人に集中すると大変すぎる。そんな簡単に?麺作りって職人の仕事じゃないの?と思うかもしれない。

でも、もともと全員素人なのだ。インターネット情報を元手に、パスタマシーンを使って作れるよう試行錯誤して、自分の手でやってみて感じたことを頼りにやり方を決めるしかなかった。道具も材料もうどんの認知度も日本とは全然違うのだから、同じもの、同じ方法論を目指してもしょうがない。それでも縁あって、うどんを打ちながらヨーロッパを周っていた森岡さんや、丸亀の純手打ちうどん「よしや」の大将山下さんから、アドバイスを頂く事もでき、重要なポイント、現場に合わせた考え方を学んで、今のスタイルに少し自信を持てるようになった。お客さんも美味しいと言ってくれる。

が、しかーし!みんな素人なんだから、まだまだ改善の余地ありまくりなんだ、という事を忘れないでほしいな、と私は正直、ハラハラしながらみんなを見ている。日によって時間帯によって、麺が切れやすかったり、硬かったり、力がなかったり。気温、塩と水の量、技術。「毎日同じうどんを作ることがいかに難しいか・・・」という映画「UDON」の中のセリフを素人ながらに噛み締めているのです。。

だから今ある問題点も常に共有して、ちゃんと話し合いながら一つ一つレベルアップを目指したい。というのが理想。言葉の壁も遠慮もあってなかなかスムーズにいかないのが現実である。

天ぷらに関しても、同じような心配がいつもあって、誰も天ぷら名人の肩書きは持っていないので、強く指導することに抵抗がある。最初に決めた方法も、よくよく見ると、人それぞれ変わってきていて、出来上がりにも差が。。。天ぷらはとてもシンプルな料理だけど、守るべきポイントをしっかり守らないと油っこくなったり衣が厚くなりすぎたり。これではいかん!と、どんな天ぷらを目指すか、という話し合いをして試作もしてやっと3人の中では方法論を共有することができたけど、他のアルバイトスタッフも、となると色々気を使ってしまって口うるさく言いにくい。

もっと細かく言えば、野菜の切り方一つとってもそう。一度指導してもだんだんと人によって変化が。。。料理のプロではない私たちが、意識を共有するのはこんなにも難しいのかと悩む毎日なんである。

何故こんなにも、きっちり指導することに二の足を踏んでいるかと言うと、ヒエラルキーを職場の中で作りたくないから。

そうは言っても、ちゃんと指導する者は必要だし、自分たちの作るものに対して、しっかりプライドを持つ事も大事だ。しかし、上からの押し付けにもしたくないから、何故そうしたいかちゃんと説明して納得してもらう必要がある。うーん、難しい。そんな高度なドイツ語、できるわけねー!と言うのは私個人の問題だけど、3人の中でそれを言う人が固定化してくるのもマズイから、しどろもどろで頑張っている。

実際、もし日本語なら、相手の気持ちも考えて気をつけながら説明したり、後からのフォローもできるのに、と何度思ったことか。

話し合い、お互いに納得し合うことが一番大事なのに、自分の気持ちを思うように表現できないのは、なんとも悔しい。大事なところはのび太が翻訳してくれるから、内容は理解できるけど、やっぱり自分のタイミングで自分の言葉で伝えたい。

早くそうなりたいけど、焦ってもしょうがないので、ほんと出来ることからちょっとづつ・・・です。

 

そしていつも思うのは、人それぞれの考え方の違い、センスをどこまで許容でき、どこからすり合わせるべきなのか。自分の中の境界もあるし、お店としての境界もあると思う。それがよくわからない時もあるし、怖さもある。

もっと、お互いに溜め込まないよう正直に話して、譲ったり譲られたり歩み寄ったりできたらいいんだろうと思う。

 

そんな人間関係を作るにはまず、信頼とリスペクト、を持つことですね。

 

簡単なようで難しい。難しいようで時々簡単。

ほんと、ややこしいよね人間関係。

と、話がまた大きくなってきたのでもうやめます。

 

 

明日から仕込みでまた忙しくなります。

そして、明々後日から第2のスタート!

の気持ちで頑張っていこうと思います。

 

読んでくれて、ありがとうございました!