ニコニコ通り

漫画、木版画、イラストなどなど、製作中。

2023年12月号

2023年に掲げた目標の一つは、「天ぷらを再開する」でした。

そして本当に滑り込みセーフの、クリスマス2週間前に、なんとか目標達成!

でも実はこれ、2023年に初めて掲げた目標ではなく、2021年からすでに目標としていたこと。

コロナ禍が落ち着いてからも、人手不足やらなんやらで延期に延期を重ねた悲願でもあり、今年こそ達成しないと、天ぷらやるやる詐欺としてスタッフの信用を失いそうだったので笑、もはや責務。

そんな天ぷら再開への軌跡を描いた4コマ漫画でした。

そして現在、天ぷら再開して早3ヶ月。

クオリティも徐々に安定してきていて、フォーメーションも固まりつつあり、わりと順調と言えるだろう。

なんならもっと天ぷらや天丼のオーダーが増え、大パニックになるかと思ったけど、今まで通りうどん単品しか頼まないお客さんが意外にも多い。そのおかげでオーダーごとにいつも揚げたての天ぷらを提供できるし、前に天ぷらやってた時みたく1時間くらい待たせる、なんてこともなくなった。ちょっと拍子抜けしたくらいだ。

日本だと、うどんに天ぷらってのは超定番だけど、ノビコの一番人気のメニューは坦々うどん。天ぷらを再開したところでその順位が変わることもなく、それだけノビコのうどんメニューがこの5年間でお客さんに浸透したんだなぁと。

それでも天ぷらを再開したかったのは、自分たちが作りたかったお店を作るため、仕事を楽しむため、というのが一番の理由だけど、天ぷらを再開することでもっと稼ぎたいというのも大事な理由。

もっと稼がないといけない理由は大きく2つあって。

2024年からレストランが支払う税金が7%から19%に戻る、というのが一つ。ここ数年はコロナ禍とインフレの影響で7%に下げてくれていたのに、急に倍以上って。この差はでかい。そしてもう一つは、最低時給がさらに上がったこと。2024年から12ユーロが12,4ユーロになって、今年中に13ユーロになる可能性大。嬉しいことではあるけど、もちろんお店としては準備をしておかないと。

そんなこんなで、うちも含め多くのレストランが値上げせざるを得なくなったけど、値上げだけするより、天ぷらを武器にもっとお客さんが増えたり、選択肢が増えてもっと楽しめた方が、お店もお客さんもお互いにとって良い。

このタイミングで天ぷらを再開したのは、ノビコ存続にとっても大事な転機だったのです。

さらに言えば、天ぷらを再開してからお店はもっと忙しくなり、スタッフへの負担は増え仕事もハードになった。忙しいのは嬉しいことだけど、人手を増やさないとスタッフが耐えられないかも、という心配もあって。なんなら私も仕事の疲れが蓄積しまくっていて、しんどい。つまり、私たちはもっとお金が必要なのだ。持続可能な働き方をするために。

 

たかが天ぷらを再開したくらいで大袈裟な。

と思われるかもだけど、裏では色んな狙いや計画や心配事があるってことを、周囲からは理解してもらえない事って多いと思う。

やってみないとわからない、内側の話。派手でもなくドラマチックでもない試行錯誤。

どんな小さな業種でもそういうことってありますよね。

それをオープンに話すのは野暮かもしれないし、聞きたいかどうかもわからないけど。

私自身はそういうの聞くのも好きだし、みんな色々悩んで考えてやってんだな〜って思うと、なんか愛おしさが増すんですよね。みんな、がんばってるな〜って。

 

そんな期待を背負った新人、ノビコの天丼と天ぷら盛り合わせがこちら!

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この子たちが、狙い通り私たちの救世主になるために、看板メニューの一つとして輝けるように、愛情もって育てていこうと思います!